紲 の会 の想い

太平洋戦争終結後、旧満州（中国東北部）から日本（内地）に、多くの人が引き 揚げてきました。一方で、「引揚者」となることができなかった人、内地にたどり 着くことなく亡くなっていった大勢の人がいます。戻れなかった人たち──富士 山を自分の目で見ることが叶わぬまま亡くなっていった人たちの無念の魂は、今 も私たちの国・日本の空の上で彷徨っているのにちがいありません。 空の上を彷徨っている彼らの魂を迎える像をつくり鎮魂すること。 「おつかれささま。おかえりなさい」と言ってあげること。 それがこの会の目的とするところです。 そして、それをきっかけに、「あの戦争がもた らしたもの」にじっと目を凝らし耳を傾けたいと思います。体験の有無にかかわ らず、一人でも多くの方がこの趣旨にご賛同くださることを心から願っています。

プロフィール

野村 純子

奉天春日小学校三十八回生。12 歳の時、満州からの引揚げを体験。ボランティアグループ野ばらの会を1998 年代表として設立。 「星野富弘花の詩画展」、「与 勇輝人形展」、「レーナ・マリア」リサイタル、「フジ子・ヘミング」リサイタルなど数々のイベントを企画。

【満州の思い出】野村さんの父との思い出の一枚 【満州の思い出】